AFP・CFPてナニ?
日本FP協会が認定したFP資格のことだよ
今回はファイナンシャル・プランナー(以下、FPと言います。)の資格と試験制度について書きます。
また、あまり知られていないAFP・CFPとFP技能士の違いについても解説します。
FPのことを知りたい方やFPの試験を検討している方に、少しでも参考になれば幸いです。
よろしくお願いします。
ファイナンシャル・プランナーとは
そもそもファイナンシャル・プランナーとはどんな資格なのでしょうか?
日本FP協会によりますと、次の通りに説明されております。
「FP」は、人それぞれの夢の実現をお手伝いする
「家計のホームドクター®」です(出典:日本FP協会ホームページ)
私は一言で言うと、「FPは、お金に関してのプロである。」と思っています。
税金や年金、教育費や保険など、お金に関しての幅広い知識を要求されます。
最近はCMをやっているので少しは知名度が上がってきたようですが、まだ、
「FPってどんなことをやっているの?」と聞かれることは結構あります。
その際には自信を持って「お金に関してのプロです」と回答をします。
ところでFPの試験は2種類あることをご存知ですか?
FPの試験について
あまりご存知の方はいないかも知れませんが、一般的に「FPの試験」は「FP技能検定」と言われていて実施団体が2つあります。
- 日本FP協会
- 金融財政事情研究会
です。日本FP協会のホームページで詳しく説明されています。
どちらの団体で受検しても学科試験の問題は同じで、取得出来る資格も同じです。
このFP技能検定に合格するとFP技能士を名乗ることが出来ます。
3級FP技能検定
毎年1月、5月、9月の3回実施します。
日本FP協会による3級FP技能検定の概要は下記の通りです。
学科試験は6科目です。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
3択のマークシート形式ですが、油断出来ない難易度です。
金融機関などで実務経験があれば大丈夫でしょうが、初めてFPを勉強する方は基本をしっかり抑える必要があります。
実技試験は日本FP協会で受検すると
- 資産設計提案業務
金融財政事情研究会(以下、金財と言います)で受検すると
- 個人資産相談業務
- 保険顧客資産相談業務
どちらかの選択となります。
2級FP技能検定
3級と同じく1月、5月、9月の3回実施です。
日本FP協会による2級FP技能検定の概要は下記の通りです。
また、2級には受検資格があるので注意が必要です。
次のいずれかに該当することが条件です。
- 日本FP協会が認定するAFP認定研修(基本課程)を修了した者
- 3級FP技能検定の合格者
- FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
金融機関などで2年以上働いている方は2級から受検出来ますが、FPの勉強を始めたばかりの方がいきなり受検出来ないので注意してください。
試験問題の難易度自体は3級と変わりませんが、4択のマークシートになるので、基本を抑えていることがより大事になります。
実技試験は、
日本FP協会受検
- 資産設計提案業務
金財受検
- 個人資産相談業務
- 中小事業主資産相談業務
- 生保顧客資産相談業務
- 損保顧客資産相談業務
から選択して受検します。
金財で受検する場合は、専門的な相談業務の問題になりますね。
実務経験がある方は有利になると思います。
日本FP協会の受検は、解答がマークシートでない問題があるうえに問題数が多いのでスピードが求められます。
(約2分12秒に1問解答のペースです。)
AFP認定者
AFP資格は、FPとして必要かつ十分な基礎知識を持ち、相談者に対して適切なアドバイスや提案ができるFP技能を習得した者に与えられる資格です。日本FP協会では資格認定に際して「教育」「試験」「倫理」を重視し、健全で質の高いFPの育成に努めるとともに、継続的な能力の維持向上を図っています。
(出典:日本FP協会ホームページ)
AFPのAはAFFILIATED(アフィリエイテッド)を意味しているそうです。
見事2級FP技能検定に合格すると、AFP認定者になるためのゴールは近づきます。
もちろん2級FP技能士で満足しても良いですが、せっかく合格した知識をブラッシュアップしたり、FPの繋がりを広めるためにはAFP認定者になることをお勧めします。
AFP認定者へのルートはいくつかあります。
2年以上のFP実務経験がある、または、3級FP技能検定に合格している方
2年以上のFP実務経験がある、または、3級FP技能検定に合格している方は
- 2級FP技能検定に合格▶️AFP認定研修(技能士課程)修了▶️AFP認定者
- AFP認定研修(基本課程)の受講中に2級FP技能検定に合格し、研修修了
1のルートが王道だと思います。
AFP認定研修(技能士課程)は最安でも8,800円(税込)です。
3級FP技能検定(学科+実技)6,000円
2級FP技能検定(学科+実技)8,700円
AFP認定研修(技能士課程)8,800円
合計23,500円から
3級FP技能検定を合格してから、そのままの勢いで2級FP技能検定も合格して、AFP認定研修(技能士課程)を修了することが最安です。
AFP認定研修(技能士課程)について詳しくは、こちらの記事を是非ご覧ください。
ちなみにAFP認定研修とは下記の通りです。
AFP認定研修とは、ファイナンシャル・プランニングに必要な倫理・コンプライアンスとライフプランや金融、保険など6つの専門分野にわたる知識を体系的に学習できるように構成された日本FP協会認定の研修講座です。
(出典:日本FP協会ホームページ)
FP実務経験がなく、3級FP技能検定も受検していない方
FP実務経験がなく、3級FP技能検定も受検していない方は
- AFP認定研修(基本課程)修了▶️2級FP技能検定に合格▶️AFP認定者
というルートもあります。
AFP認定研修(基本課程)は最安でも22,000円(税込)です。
AFP認定研修(基本課程)22,000円
2級FP技能検定(学科+実技)8,700円
合計30,700円から
こちらは3級FP技能検定を合格するルートより費用がかかりますが、AFP認定者になるまでの時間を短縮することが出来ます。
AFP認定研修(基本課程)を修了して2級FP技能検定の合格を目指す方は、こちらの記事を是非ご覧ください。
CFP認定者
CFP®資格は、北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界24カ国・地域(2019年2月現在)で導入されている、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」で、FPの頂点とも言えるものです。原則として一国一組織により資格認定が行われており、日本においては日本FP協会が認定しています。
日本FP協会は随分と自信にみ満ち溢れた表現をしていますね(笑)
CFPのCはCERTIFIED(サーティファイド)を意味しているそうです。
CFP資格は、AFP認定者がCFPの資格審査試験に合格し、
エントリー研修の修了と一定の実務経験を積むことによって名乗ることが出来ます。
- AFP認定者▶️CFP資格審査試験に合格▶️CFPエントリー研修修了かつ一定の実務経験▶️CFP認定者
CFP資格審査試験
毎年2回、6月と11月に実施されます。
試験は6課目で、一括でも1課目ずつでも受験することが出来ます。1度合格した課目は有効のようです。試験課目は、
- 金融資産運用設計
- 不動産運用設計
- ライフプランニング・リタイアメントプランニング
- リスクと保険
- タックスプランニング
- 相続・事業承継設計
です。概要は下記の通りです。
聞き慣れない方式ですが、要は4択のマークシートです(笑)
2分24秒に1問解答しなければならず、スピードと集中力が求められます。
2日に分けて開催され1日あたり3課目ですが、一括受験だと6時間費やされます。
当時の私(14年前)は若く集中力もあったので(笑)、6課目一括受験をして一発合格出来ました。当時は合格基準が非公表で、受験料の割引もなかったので3万円かかりました。
CFPエントリー研修
見事CFP資格審査試験全6課目合格すると、年2回開催されるCFPエントリー研修を受講します。
内容は、倫理・コンプライアンスや相談実務の基礎となるFPプロセスの6ステップを通信研修で学習するものです。
通算で3年以上の実務経験がある
先ほど書いた「一定の実務経験を積むこと」がこちらになります。試験合格前10年に遡りますが、金融機関で勤務している方は問題ないですね。経験年数が不足する方は実務経験とみなされる「みなし実務研修」を受講する必要があります。
CFPのメリット
①幅広い人脈・ネットワークを築くことが出来る。
私が感じる最も大きなメリットです。日本FP協会に所属することで様々なイベントや勉強会に参加することが出来ます。そこで知り合ったFPの方達と人脈を築けることで、今後のFPとしての活動に可能性が広がります。
②継続的に新しい知識を習得出来る。
AFPとCFPの資格には更新制度があります。
それぞれ決められた期間内に決められた教育の単位を取得することで資格を更新出来ます。
この制度により、日頃からFPとしての知識を身につける習慣がつきます。
資格の更新制度については、こちらの記事も是非ご覧ください。
③世界が認めるプロフェッショナルFPの証、という誇りを持てる。
CFPは世界で信頼されるプロフェッショナルFPの証で、日本FP協会に認定されています。責任が重い肩書きですが、誇りを持てることはメリットだと感じています。
CFPのデメリット
①受験費用と維持費用が地味に高い。
資格審査試験は6課目ありますが1課目の受験料が5,500円です。2課目以上の出願で割引きがあるので、出来れば短期間で合格したいです。またCFPですと年会費が20,000円かかります。(AFPの年会費は12,000円です。)
②まだまだ知名度が低い。
ファイナンシャル・プランナーて何が出来る人なの?と、今でもよく聞かれます。
これからも継続して普及活動が必要ですね。
「CFP」より「1級FP技能士」と名乗った方が、凄い人と思われるでしょう。
以上が、私が考えるメリットとデメリットでした。
1級FP技能検定
1級FP技能検定も基本的には学科試験と実技試験になります。
1級学科試験
学科試験は金財の実施となります。
基礎編と応用編合わせて5時間の長丁場です。集中力と持続力が必要ですね。
学科試験については、CFP認定者またはCFP資格審査試験の合格者(合格日の翌々年度末まで有効)は免除することが出来ます。
私もこのパターンだったため、1級学科は受験していません。
1級実技試験
実技試験は日本FP協会と金財が実施しています。
私は、日本FP協会の実技試験を受験しました。
金財の試験は口述なのに時間が長いですよね。
面接が苦手な私にはハードルが高いです。受験料も高いです。
ファイナンシャル・プランナーについてのまとめ
いかがでしたか?
FP資格の内容と試験について、なんとなく理解いただけましたか?
○級FP技能検定(学科試験+実技試験)を合格すると
○級FP技能士を名乗ることが出来る
日本FP協会のAFP・CFPについても書きました。
・2級FP技能検定に合格し、AFP認定研修を修了するとAFP認定者になれる
・AFP認定者がCFP資格審査試験に合格し、CFPエントリー研修と一定の実務経験を経てCFP認定者になれる
また、個人的に感じるCFPのメリットとデメリットも挙げさせていただきました。
それらを踏まえてCFP資格を保有していて良かったと感じています。
理由は、普段の仕事ではあまり他業種の方と交流がないので、色々な業種の方達に知り合うことで、知識や経験を享受することが出来るからです。
これが最大のメリットだと思っています。
FPの試験を検討されている方は是非、チャレンジしてみてください。
応援しております。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。