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実額補償するSBI損保のがん保険自由診療タイプについて解説します!

実額補償する「SBI損保のがん保険 自由診療タイプ」について書きます。

我が家はがん家系ではないから保険は要らないかな。

遺伝に関係なく2人に1人ががんになると言われています。

実額補償とは、実際にかかった治療費が支払われることです。
自由診療とは、健康保険が適用されず、治療費が全額自己負担となるものです。

 

結論から言うと、次の方はがん保険を検討すべきだと思います。

  1. 働き盛りの世代で、まだがん保険に加入していない方や、昔のがん保険に加入したままの方 
  2. 乳がんのリスクが高まる30代から40代の女性

 

よろしくお願いします。

がんに関する統計

 

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がん罹患率の年次推移

国立がん研究センターがん情報サービスのホームページでは、がんに関する情報、統計、がん対策に役立つ知識を確認することが出来ます。

がん罹患率の年次推移は次のとおりです。

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(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)

1995年から2015年の20年間で、男性・女性ともに2倍近くの罹患率になっています。

また、 女性に比べて男性の罹患率は約1.4倍になっています。

生涯がん罹患率

続いて生涯でがんに罹患する確率は次のとおりです。

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(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)

冒頭でも書いたように、2人に1人ががんに罹患すると言われています。

男性はまもなく3人に2人の確率になってしまいそうです。

がん罹患率の年齢による変化

がん罹患率の年齢による変化は次のとおりです。

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(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)

男性は50歳代から増加するのに対して、女性は30代後半からゆるやかに増加しています。

冒頭で述べたように女性は30代後半から乳がんのリスクが高まります。

男性は60代後半から女性に比べて顕著に高くなります。

5年相対生存率

 5年相対生存率とは、国立がん研究センターがん情報サービスによると次のとおり説明されています。

あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。
* 正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団

2009年から2011年にがんと診断された5年相対生存率は男女計で64.1%(男性62.0%、女性66.9%)です。

男性の部位別5年相対生存率の順位は次のとおりです。

  1. 前立腺がん 99.1%
  2. 皮膚がん  94.4%
  3. 甲状腺がん 91.3%

女性の部位別5年相対生存率の順位は次のとおりです。

  1. 甲状腺がん 95.8%
  2. 皮膚がん  94.6%
  3. 乳がん   92.3%

 

がんに関する統計から言えること
 ①がんの罹患率は年次ごと・年齢ごとに高まっているので、他人事ではない。
 ②医療の進歩により生存率が高まっているので、高額な治療費に備える必要がある。

自由診療について

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自由診療とは、健康保険が適用にならない治療のことです。

一般的には、患者さんと医師の間で自由に個別の契約を結び、その契約に基づいて行われる診療です。

健康保険が適用にならないので医療費全額が自己負担になります。

厚生労働省が承認していない薬などを使用する場合が自由診療となります。

例えば、海外ではがん治療に有効であると認められていても、日本では未承認の抗がん剤で治療を行うことや、薬剤の適応外投与(※)などがあります。

(※)薬剤を厚生労働省が承認した効能以外の目的で投与する治療をいいます。

 

SBI損保のホームページによると、SBI損保のがん保険で支払対象になる具体的なものは次のとおりです。

  1. 公的医療保険の対象となる診療
  2. 先進医療に該当する診療
  3. 米国国立がん研究所のガイドラインに定める診療
  4. National Comprehensive Cancer Network(全米を代表とするがんセンターで結成されたガイドライン策定組織)のガイドラインに定める診療
  5. 癌専門医委員会(第三者の医療専門家により構成されるがん治療の有効性を評価するための委員会)において有効と判断された診療

 

主にアメリカのガイドラインに定められた診療が支払い対象になってますね。

 

この自由診療は最先端の治療を受けられることが最大のメリットです。

 

厚生労働省の参考資料によると国内の未承認薬が使用された事例のうち、42%が抗がん剤治療であると言われています。

 

抗がん剤でも健康保険が適用にならないものがあるんですね。

 自由診療の治療費例

国内で未承認の抗がん剤治療を行った場合の治療費例を確認します。

  • 未承認薬(一般名) アベマシクリブ
  • 国内で保険適用されているがんの種類 なし
  • 国内で保険適用されていないが、欧米で効果が認められているがんの種類 乳がん
  • 欧米における承認 
  • 欧米におけるガイドライン掲載 
  • 投与方法 毎日2回服用
  • 価格 200mg/1錠67,000円
  • 1サイクルの参考価格 4,363,760円

(出典:SBI損保ホームページ)(2018年4月現在)

1サイクルの参考価格は、患者の体格、症状、投与頻度、併用する薬剤等によって変わります。また、1か月あたりの価格としています。 

 

400万円を超える金額が自己負担になる場合があるんですね。

 

実額補償について

実額補償とは、実際に自己負担した治療費を補償することをいいます。

例えば健康保険が適用される治療で医療費が100万円だった場合、自己負担は3割なので30万円です。

実額補償ではこの30万円を補償します。

(高額療養費で払い戻しがあった場合、払い戻し後の自己負担額を補償します。)

また、乳がんの方が自由診療で先ほどの抗がん剤「アベマシクリブ」を使用した場合、全額が自己負担となり治療費は約436万円となります。

実額補償ではこの436万円を補償します。

 

実額補償とは
①健康保険が適用される治療では自己負担の3割分を補償します。
②自由診療の治療では自己負担分の全額を補償します。

 

参考として、厚生労働省によると「アベマシクリブ」は平成30年11月30日の販売開始から令和元年5月14日までの間に約2,000人の患者さんに使用されています。

 

一般的な定額補償型のがん保険だと、抗がん剤治療給付金は

「1か月につき10万円給付される」という内容になっているものがあります。

「アベマシクリブ」を使用した際だと、自己負担額の軽減にはあまり役に立たないでしょう。

治療費が高額になるほど実額補償のありがたみは大きいですね。

その他、がんの治療で実額補償されるのは次のとおりです。

  1. がん治療で入院したときの入院費用
  2. がん治療で手術を受けたときの手術費用
  3. がん治療で通院したときの通院費用

(SBI損保の支払基準を満たす場合に限ります。)

 

参考までに、48歳男性が肺がんと診断確定された場合の、治療内容・期間・治療費自己負担額・保険金支払額は次のとおりです。

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 (出典:SBI損保ホームページより筆者編集)

がんによっては通院期間が5年に及ぶ場合もあります。

 

SBI損保のがん保険の注意点

SBI損保のがん保険は実額補償する合理的な保険ですが、私が感じた注意点は次のとおりです。

差額ベッド代の自己負担は補償されない。

実際に入院をすると、周りを気にせずプライバシーが確保された部屋で過ごしたいと思うでしょう。

いわゆる個室に入院する場合、健康保険で支払われる入院料とは別に患者さんが負担するものを差額ベッド代といいます。

差額ベッド制度に関しては、埼玉県ホームページで次のとおり説明されています。

 入院環境の向上を図り、患者さんの選択の機会を広げるものとして認められたもので、料金は医療保険で支払われる入院料とは別に、患者さんが負担します。

 

都内の有名な病院だと、1日あたりの差額ベッド代が30,000円以上かかります。

しかし残念ながら、この差額ベッド代は補償されないので注意が必要です。

 

差額ベッド室への入院には患者さんへの説明と同意が必要です。

 

保険期間が5年と短い。

一般的ながん保険の抗がん剤治療給付金や先進医療給付金の保険期間は、10年で設定されているものが多いです。

しかしこの保険の保険期間は5年なので注意が必要です。

保険期間が終わると自動更新になりますが、更新時の年齢で保険料が再計算されるので高くなってしまうのです。

例えば30歳女性ですと毎月の保険料は670円ですが、更新時は35歳ですので毎月1,030円になります。

がん診断保険金なしの場合、毎月の保険料は次のとおりです。

 

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(2020年2月時点)

まとめ

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いかがでしたか?

実額補償するSBI損保のがん保険について書きました。

健康保険が適用される治療で済めば、高額療養費を考慮すると毎月の自己負担額に上限があるため、従来の定額補償型のがん保険で良いかもしれません。

しかし最先端の治療を受けて健康保険が適用にならない場合は、自己負担が高額になってしまうので、このがん保険に加入していると安心です。

 

このがん保険をお勧めする方は次のとおりです。

①乳がんのリスクが高まる年代であるものの、がん保険に加入していない30代〜40代の女性の方

②働き盛りの年代でがん保険には加入しているものの、診断給付金が少額しかもらえない契約の方

自由診療や先進医療の高額な治療費には是非備えておきたいね。

治療が長期化する場合もあるので、この保険に加入していると安心です。

 

SBI損保のがん保険とアクサダイレクト生命のがん終身を比較しましたので、こちらの記事も是非ご覧ください。

 

www.moriken-cfp.com

 

また、ライフネット生命のがん保険「ダブルエール」のシンプルプランについて考えた記事も是非ご覧ください。

 

www.moriken-cfp.com

 

 SBI生命の就業不能保険「働く人のたより」についても書きましたので、是非ご覧ください。

www.moriken-cfp.com

 

 

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。