「SBI損保のがん保険自由診療タイプ」(以下、SBI損保のがん保険といいます。)を比較してみました。
比較対象は価格.comで人気ランキング1位のアクサダイレクト生命の「アクサダイレクトのがん終身」です。
SBI損保のがん保険について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
保険なんてどこも一緒じゃないの?
今回比較する2社の保険はそれぞれ特徴がありますよ。
よろしくお願いします。
SBI損保のがん保険とアクサダイレクトのがん終身の比較
比較をするにあたっての前提は次のとおりです。
保険料は私の年齢43歳で設定しています。
(男性の場合と女性の場合で表示します。)SBI損保のがん保険はがん診断給付金を100万円で設定しています。
(がん診断給付金なしのプランも設定できます。)
これらの前提をもとに比較した結果は次のとおりです。
アクサダイレクトのがん終身 | SBI損保のがん保険 | |
---|---|---|
男性の保険料 | 3,900円 | 2,100円 |
女性の保険料 | 3,610円 | 3,440円 |
保険期間 | 終身 | 5年 |
保険料払込期間 | 終身 | 5年 |
がん診断給付金 | 100万円 | 100万円 |
診断給付金支払回数 | 1回のみ | 複数回 |
がん入院給付金 | 10,000円 | 実額補償 (無制限) |
がん通院給付金 | なし | 実額補償 (5年ごとに最大1,000万円) |
退院後療養給付金 | 10万円 | なし |
がん手術給付金 | 10万円 | 実額補償 |
抗がん剤治療給付金 | 10万円 | 実額補償 |
先進医療給付金 | あり | あり |
順番に解説していきます。
がん診断給付金
がん診断給付金はどちらも100万円となっています。
アクサダイレクトのがん終身は、終身の保険期間で支払回数は1回のみとなっています。
SBI損保のがん保険は、最後の診断確定日から2年を経過していれば、再びがんと診断確定されても支払います。
ただし、1度がん診断給付金を支払っている同じがんについては支払い対象外となります。
がんの移転を考えると診断給付金が何度でももらえると安心ですよね。
また、どちらのがん診断給付金も上皮内新生物でも支払います。
上皮内新生物
上皮内新生物とは、国立がん研究センターがん情報サービスによると次のとおり説明されています。
上皮細胞から発生するがんのうち、がん細胞が臓器の表面を覆おおっている上皮内にとどまっているものを、上皮内新生物(intraepithelial neoplasia;neoplasm)といいます。上皮内新生物は、上皮内がん(carcinoma in situ)とも呼ばれます。
上皮内新生物は、がん細胞が、上皮と間質を隔てる膜(基底膜きていまく)を破って広がっていない状態です。そのため、基本的には手術でとることが可能で、転移がほとんどないと考えられています。上皮内新生物が悪性化し、基底膜を越えて浸潤した場合に、一般的な「がん」になります。
(出典:国立がん研究センターがん情報サービス)
がん保険によっては上皮内新生物の場合、診断給付金が削減されるものもあります。
上皮内新生物で多いのは子宮および子宮頚部なので、女性に多いといえます。
がん診断給付金のポイント
①アクサダイレクトのがん終身は保険期間で1回のみ支払う。
②SBI損保のがん保険は最後の診断確定日から2年を経過し、違うがんであれば再度支払う。
③上皮内新生物はどちらの保険も支払う。
入院給付金
入院給付金について、アクサダイレクトのがん終身は1日につき10,000円を入院日数無制限で支払います。
アクサダイレクトはシンプルでわかりやすいですね。
SBI損保のがん保険は入院日数無制限でがん治療にかかった費用を無制限で実額補償します。
SBI損保のがん保険の入院給付金の支払対象になるのは次のとおりです。
保険診療の場合、自己負担となる3割の治療費
自己負担割合は年齢や所得によって異なります。先進医療の費用
診断書の文書料
自由診療の場合、自己負担した治療費
SBI損保のがん保険の入院給付金の支払対象外になるのは次のとおりです。
差額ベッド代
貸テレビ代・新聞代・特別メニューの食事代など直接治療に関係しない諸雑費
がんの診断確定を主な目的とした、検査のための入院
がんの再発・移転の診断を主な目的とした、診察または検査のための入院
がんの手術により失われた形態または機能を改善する形成手術等(二期的乳房再建手術等)を行うことを主な目的とした、自由診療による入院
入院給付金のポイント
①アクサダイレクト生命のがん終身は入院日数無制限で1日につき10,000円を支払う。
②SBI損保のがん保険は入院日数無制限でがん治療にかかった費用を支払う。
通院給付金
通院給付金について、アクサダイレクトのがん終身には保障はありません。
SBI損保のがん保険は通院日数無制限でがん治療にかかった費用を保険期間(5年)ごとに最大1,000万円まで実額補償します。
SBI損保のがん保険の通院給付金の支払対象になるのは次のとおりです。
入院前後の通院や、入院を伴わない通院
セカンドオピニオン外来の費用
保険診療の場合、自己負担となる3割の治療費
自己負担割合は年齢や所得によって異なります。先進医療の費用
診断書の文書料
自由診療の場合、自己負担した治療費
SBI損保のがん保険の通院給付金の支払対象外になるのは次のとおりです。
往診による治療
交通費・宿泊費等、直接治療に関係しない諸雑費
がんの診断確定を主な目的とした、検査のための通院
がんの再発・移転の診断を主な目的とした、診察または検査のための通院
がんの手術により失われた形態または機能を改善する形成再建手術等(二期的乳房再建手術等)を行うことを主な目的とした、自由診療による通院
通院給付金のポイント
①アクサダイレクト生命のがん終身には保障はない。
②SBI損保のがん保険は通院日数無制限でがん治療にかかった費用を保険期間(5年)ごとに最大1,000万円まで支払う。
退院後療養給付金
退院後療養給付金は、アクサダイレクト生命のがん終身だけにある保障です。
アクサダイレクト生命によると、退院後療養給付金について次のとおり説明されています。
がん退院療養特約を付加すると、がんで入院後に療養のため退院した場合、通院日数に関わらず、退院後療養給付金として退院毎に10万円を一括でお支払いいたします。当社のがん保険には通院での治療費の保障はないため、療養時の通院治療費や交通費などさまざまな出費にご利用いただけます。
通院給付金がない代わりに、入院後に療養のため退院すると10万円を受け取れます。
交通費などの雑費にも10万円を使えるのは嬉しいですね。
ただし注意点として、次のとおり説明されています。
退院時に退院後療養給付金が支払われ、その退院日の翌日からその日を含めて180日以内に再びがんによる入院を開始した場合、この入院については、退院後療養給付金の支払対象となりません。
退院後療養給付金のポイント
①がんで入院後に療養のため退院した場合に10万円を一括で支払う。
②退院後療養給付金が支払われて、その退院日の翌日からその日を含めて180日以内に再び入院すると、この入院は退院後療養給付金の支払いにならない。
③SBI損保のがん保険には保障はない。
がん手術給付金
がん手術給付金について、アクサダイレクト生命のがん終身では1回につき10万円支払います。
一部の手術を除き回数の制限はありませんが、上皮内新生物の手術の場合、保険期間を通じて1回のみ支払います。
上皮内新生物は手術でとることが出来て、移転はほぼないと言われています。
SBI損保のがん保険ではがん治療にかかった手術費用は無制限で補償します。
通院での手術の場合、保険期間(5年)ごとに最大1,000万円まで補償します。
がん手術給付金のポイント
①アクサダイレクト生命のがん終身では1回につき10万円を支払う。一部を除いて回数の制限はないが、上皮内新生物の場合、1回のみ支払う。
②SBI損保のがん保険ではがん治療にかかった手術費用を無制限で支払う。
抗がん剤治療給付金
抗がん剤治療給付金について、アクサダイレクト生命のがん終身では1か月につき10万円を支払います。
月に1回の支払いで、保険期間を通じて通算60回を限度とします。
抗がん剤治療特約の保険期間は10年で、以後自動的に更新し継続されます。
なお、更新後の保険料は、更新時に適用される保険料率によって新たに計算されるので、保険料は高くなることがあります。
月に1回で通算60回ということは5年分支払うということだね!
抗がん剤治療の保険期間は10年で更新制なんですね。更新後は年齢が上がっているので保険料も高くなると思います。
SBI損保のがん保険では、公的医療保険の対象になる抗がん剤治療だけでなく、自由診療となる未承認抗がん剤治療も実額補償します。
未承認抗がん剤治療とは、厚生労働省が承認していない抗がん剤での治療をいいます。
自由診療について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
抗がん剤治療給付金のポイント
①アクサダイレクト生命のがん終身は月1回で10万円を支払う。10年の保険期間内で通算60回を限度として支払う。
②SBI損保のがん保険は公的医療保険対象の抗がん剤治療だけでなく、自由診療となる未承認抗がん剤治療も実額補償する。
がん先進医療給付金
先進医療給付金について、アクサダイレクト生命のがん終身では通算500万円を支払います。
がん先進医療特約は保険期間10年で自動更新となります。
がん先進医療給付金の支払総額が500万円になると、がん先進医療特約は消滅します。
先進医療についてはSBI損保のホームページで次のとおり説明されています。
「先進医療」は、厚生労働大臣が定める高度な医療技術で、安全性や効果が確認されると、健康保険の適用が検討される治療法です。特定の大学病院や医療センターなどの大規模な医療機関で研究・開発されています。先進医療を実施している医療機関は厚生労働省のホームページで公開されています。
先進医療である重粒子線治療の費用350万円は全額自己負担になります。
SBI損保のがん保険では先進医療についても実額補償します。
通算支払限度額も設定されていません。
がん先進医療給付金のポイント
①アクサダイレクト生命のがん終身は通算500万円を支払います。支払総額が500万円になるとがん先進医療特約は消滅します。
②SBI損保のがん保険は実額補償しますし、通算支払限度額も設定されていません。
まとめ
いかがでしたか。
SBI損保のがん保険とアクサダイレクト生命のがん終身を比較しました。
比較した結果、私が感じたそれぞれの保険の良い点は次のとおりです。
アクサダイレクト生命のがん終身の良い点
①入院給付金が日数無制限で1日につき10,000円支払われるので、個室に入院した時の差額ベッド代が軽減出来る。
②退院後療養給付金が10万円支払われるので、通院費や交通費に利用することが出来る。
SBI損保のがん保険の良い点
全額自己負担となる先進医療や自由診療が実額補償されるので、安心して治療に専念することが出来る。
それぞれの良い点を踏まえて、私であればSBI損保のがん保険を選びます。
どちらの保険も良い点があって悩ましいね!
個人的には高額になる治療費が実額補償されるほうが安心です。
保険に特化したFPに無料相談できる保険チャンネルも是非ご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。