医療保険に加入していて先進医療特約を付加(付帯)している方は、
「白内障の多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術が先進医療から除外される」
というニュースを聞いたことがありますか?
昨年末行われた、中央社会保険医療協議会で議論されたことが根拠です。
この先、厚生労働省から公式アナウンスがある予定ですが、4月から先進医療の対象ではなくなるので注意してください。
そもそも白内障とはどんな病気なのか?先進医療とはどんな治療なのか?書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。
白内障とは
白内障とは下記のとおり説明されています。
目のなかの水晶体と呼ばれる部分が白く濁る病気。
目の水晶体を構成するたんぱく質が変性し、黄白色または白色に濁ることにより発症する病気です。
白内障が発症する原因として、最も多いのは加齢によるもので、加齢性白内障と呼ばれます。個人差はありますが、水晶体が濁ること自体は年齢を重ねると多くの人に起こることから、一種の老化現象ともいえます。
老化現象と言われているように、Mindsガイドラインライブラリによると、50歳代で37〜54%、60歳代で66〜83%、70歳代で84〜97%、80歳以上でほぼ100%と報告されています。
早い場合だと40歳代から始まるそうです。
もし白内障になってしまうと手術をして治すのですが、代表的な治療に「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」という先進医療があります。
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術について
白内障になると水晶体が濁ってしまうため、光がうまく通過出来なくなり視力が低下します。
その水晶体を取り出して人工のレンズ(眼内レンズ)を入れる方法が普及しています。
・単焦点眼内レンズは遠くか近くのどちらか一方に焦点が合うもので、治療後に老眼鏡が必要になることがあります。
この治療は健康保険が適用になります。
・多焦点眼内レンズは遠くと近くの両方に焦点を合わせることが出来るので、結果的に老眼を治すことにもなります。
この治療は先進医療なので健康保険が適用外になります。
先進医療とは
先進医療とは、効果・安全性などの評価が定まっていない新しい試験的な医療技術のうち、保険適用の対象にするかどうかの判断を下すための有効性・安全性の評価を行う医療技術として厚生労働省が指定したものです。
先進医療で受けた技術料は、全額が自己負担となります。
先進医療と聞くとがんの治療をイメージするかもしれませんが、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術も先進医療なのです。
(「平成 30年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」をもとに筆者編集)
上の表を見てもらうとわかるように、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術の実施件数はダントツでトップになります。
陽子線治療と重粒子線治療はがんの治療になりますが、実施している医療機関数がそもそも少ないですね。ただ費用はケタ違いの高さです。
先進医療特約について
一般的な先進医療特約は、300〜2,000万円を限度として自己負担した技術料を受け取ることが出来ます。
医療保険に先進医療特約を付加していれば、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術の費用を全額受け取れることが出来ました。
ところが4月に先進医療から除外される予定なので、先進医療特約では保障されず、費用は全額自己負担になってしまいます。
ちなみに保険会社によっては、先進医療特約を付加していても、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術を対象外にしている保険があるので確認をしておいた方が良いですよ。
価格.comの医療保険人気ランキング1位
「オリックス生命 医療保険 新CURE(キュア)」
は、先進医療給付金の対象としていますが、ランキング3位の
「アクサダイレクト 終身医療」
は、責任開始期から2年間は保障の対象外としています。
(責任開始期とは保障が始まる日のことです。)
まとめ
いかがでしたか?
医療保険に加入していて先進医療特約を付加している方は、4月から白内障の「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」が先進医療から除外される予定なのでご注意ください。
なかには、この治療のために医療保険に加入した方もいると思いますので。。。
先進医療は今後新たに追加されたり、除外されることがあります。
加入している保険会社で先進医療の情報を見ることが出来るので定期的にご確認ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。